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横山光輝愛蔵版初期作品集 四枚の女王 金色のキューピッド

私はね、「四枚の女王」のような作品が一本描けたらそれが一生の代表作になるレベルだと思うんですよ。
ミステリの傑作だし竜作兄貴そのまんま出てくるし(そして死ぬし)あるときは杉村博、あるときは上田鉄也、あるときは花村耕三、その実態は村雨健二!だしフランケン博士も出てくるしお遊びも満載で楽しいです。

「金色のキューピッド」もきめの細かい美しい良作です。
ちんぴらだけど品があり、情に厚く大切なものは失ってない「おじちゃん」と少女由理子の心の交流が暖かい作品です。「おじちゃん」こと「山城三郎」を見てると、昔の大人ってこんなだったのかなあと思いを馳せます。
横山光輝の作品に出てくる人物は、どんなちんぴらでもどこか上品なんですが、少女、少年向け以上に作家が本来持っている品性でもあるのだろうと思います。

結果、やっぱり横山光輝は少女マンガも面白いという事を実感。
機会があれば他の作品も読んでみたいです。