次々とはまりものが出てくるよ!
いい作品にこれでもかと出会えて幸せな日々だよ!
本当にいい作品や作者様にしか出会わない今日この頃です。
ありがたさを噛みしめています。
そんなわけで、タツノコ製作の1998年のアニメ「ジェネレイターガウル」、U-NEXTで偶然見かけて、12話という短さに逆に興味をそそられ、ちょっと調べたら評判の良いアニメだったので見てみた次第です。
キャラが綺麗な造形だったのでビジュアル系で失敗して短くなった作品なのかなとかクソ失礼な事を考えてしまったのですがとんでもなかった。
話の作りこみが半端なく、12話できっちり収まるように計算しつくされた作品でした。ただ、最初1年前に飛ぶ予定なのが3ヶ月前に来てしまったというくだり、もしかして本当は52話を予定してたのが何らかの理由で1クールになってしまったのかな…と想像してみたり。
結果的には1クールだからこその密度の濃い、作りこまれた作品になったのだと思いますが、もし1年やってたらEDのようなエピソードも見られたかもしれないと思うと、それはそれでよかった気がします。
というか本編では絶対ありえない世界すぎて、ほのぼのしてればしてるほど泣けてきちゃうのですよ…絶対にありえないんですよ…。
この当時の良質のゲームを思い出すというか、1回クリアしてからまたやってみると、1周目には気がつかなかったこと、謎だったことなんか見えてきて嬉しいじゃないですか、この作品は正にそれなんですよ。
1話を見返して、カナメがコウジが返した新聞を買った意味とか、2週目だからこそ分かるわけですよ。
3人が3人共に重荷を持ってて、それぞれの形で運命となって襲い掛かって来る、その伏線の張り方も丁寧で、3人それぞれに対する製作者の愛情を感じずにいられません。
特に一番クールで感情を出さないように見えるコウジが背負ったものの重さを思うと、本当は一番愛情深い本質が見えるようで胸を打ちます。
このへんちょっと、賢先生の漫画版の號の隼人を彷彿とさせます。
ガウルは自分の痛みに無頓着なのが逆に痛々しくもあります。
自分を守るための拒絶を絶対にしない、心も体も強靭だけど傷ついてないわけがないのにいつも明るく脳天気なのが、コウジとリョウには救いだろうけど、だからこそ弱ってゆく姿がより堪えてしまうという…
この人は正義のヒーローではあるけれど、姿は人が見たら異形の怪物、変身はグロテスクで醜く悲しい。石ノ森先生の描きたかったヒーローとは、真や漫画版blackを思うに、正にこうだったのではなかったかとガウルを見てると感じるのです。
あと個人的に、変身前のイメージがANIMALXの湊に重なるのがなんか嬉しくて…外見から似てる気がするんですが、もしかしてちょっと意識されたかなと思ってます。変身後もちょっとかぶるし…湊は恐竜だし。
リョウは3人の中で一番多感で感情豊かで、でもそれはガウルとコウジが出せない感情を読み取って代わりに表現しているようにも思えます。一番仲間の悲しみを感じ取って行動しているのがこの人なのだと思います。この人が泣いたり怒ったり悩んだりしてくれるから、コウジやガウルはそれぞれの役割に徹することができたのだろうと思います。
書きたい事は山ほどあるけど、今日考えてた事でした。
純粋に名作、繰り返し見たい作品です。