近所の本屋にチンギス・ハーンと一緒においてあったので、アレクサンダー大王の史実ものかと思っていたのですが、よく見たら巨大ロボットものでした。ふーんと思って特に深く考えず買って帰って読んでみたのですが、読めば読むほど何かがおかしい。
結果私の中では、これは長官とシンゴくんが結ばれるまでの話と結論づけたんですが何か間違ってるだろうか。
以下わたしのめにはこううつったよ!なサンダー大王。
横光ショタの魅力はバビルさんで知ってるつもりでしたが、この作品のシンゴ少年は最初ロンパースみたいな服着ててそれがショタっぷりに拍車をかけていた気がします。
ビジュアルはオールバックのりりしい少年なのですが、悪事を働くサンダー大王に涙を流したり、最初心を開いてなかったり、サンダー大王が心配でごはん食べられなかったり、サンダー大王を取り戻しにいくと報告しにきた長官に抱きついて喜んだり、横光ショタにしてはずいぶん感情豊かで少年らしい少年でした。いちいち言葉遣いやしぐさがかわいいんだよ。
長官は長官で、ほんとは国の命令でサンダー大王を手に入れるためシンゴ少年を利用してる事に心を痛めたり、それをばらすぞと言われて脅迫に屈してしまったり(シンゴ少年の協力を得られなくなったら国の命令も果たせないためとは言え、ピラポレス氏の脅迫の仕方がとてもそうとは思えない)、シンゴくんへの愛情まで偽物じゃないんだと言い切ったり(自分の子供のようにかわいいと言っていたが違う類の愛情に見える)サンダー大王を追って日本に来た際泊まったホテルでシンゴくんと同じベッドで寝ていたり(おかしい)その後シンゴくんがプライベートで「長官」「大佐」から「おじさん」と呼ぶようになったり、わたしが腐ってるだけかもしれませんが、読めば読むほどおじさんとシンゴくんがガチに見えます。年齢差を見れば一見擬似親子ですが、もはやそれを超えたなにかだ。
しかもラストはサンダー大王と共に二人で姿をくらましたおじさんとシンゴくん、おじさんすごい嬉しそうだったけど家庭とか持ってなかったの。それでいいの。たしかにサンダー大王のためにも世のためにもそれでよかったけど、「この後その姿を見たものはいない」ラストなのにすんごい幸せそうだったよ。
今までそこそこ読んできた横光作品ですが、この作品だけは、おおまかにはストーリーは横光展開なものの、全体的には異色作だと思いました、シンゴくんとおじさん的な意味で。
バビル2世と伊賀野さんの関係に似てなくもないけど、おじさんとシンゴくんは仲むつまじすぎた。バビルさん、ドライだから。