中国の歴史は諏訪緑作品でしかほぼ知らなかったわたくしですが、なんとか読破いたしました。孔明も姜維も健気すぎだろ…。
っていうか戦争は人間というか、人間の男子の闘争本能のたまものなんだなあと思いました。要するになくならない。戦争自体が、というより、戦争に似た物は平和の時代にもあります。スポーツでも、仕事でも、戦争みたいなものだ。この作品読んでると、戦争っていうか抗争っていうか、かけひきが野球に似てるなあと思ったのです。人材がないとかその人材をやりくりする名将がひとりいるだけで違うとか。
要するに何が言いたいかというと、野球あって良かったよねって(笑)。
今回三国志という話をひととおりたどったのははじめてのことだったのですが、読破してみてちょっと人生観も変わりそうな気がしました。
声高な主義主張ではなく、淡々と史実をつむいだ横山先生の作風の力が大きかったと思います。
歴史物語とは、本来こうあるべきなのだと思います。
マーズなどでも思った事ですが、彼らの生き様死に様を見て私たちがどう感じるのか、何を学ぶのかが大切な事なのだと思います。
そんでやはり諏訪緑先生の「諸葛孔明 時の地平線」の話になるのです興味のある方はどうぞ。
横光三国志を読んでみて改めて、諏訪時地には「夢がある」と思いました。
史実に忠実でないところやいかにも少女漫画的なところが叩かれたりしますが、キャラクターが諏訪時地のような人々であったらと思うと私はひどくホッとします。女性の描いた三国志なので、男性には違和感もあり鼻で笑われるような事もあるかもしれませんが、女性の目線、価値観で見る視点の三国志がここまで辛抱強く描かれた例はおそらくなく、その点は評価に値すると思います。
諏訪時地は、私が読んだ限りではおそらく横光三国志にもリスペクトを払われて描かれていると思われます。その上で実に自由奔放で暖かくのびやかな、独自の世界を描かれています。
史実としての三国志を愛する方には相容れないのかもしれませんが、(時地連載中にこの作品を叩く意見も腐るほど目にしたので…)興味のある心の広い方は一度読んでみてほしいなと思うわけです。受け入れないだろうという自信のある方には薦めませんが…。